小学生で不登校!?~大人と子どもの発達障害~

小学校2年生で不登校になり、3年生で支援学校に一時転籍、そこでひどい体験をして元の学校に籍は戻ったものの、それっきり一度も登校していない娘(現在中3)と、42歳にして娘とともにアスペルガー症候群と診断、46歳でADD(注意欠陥障害)も加わった母の道のり。

児童精神科

児童精神科からの紹介で胃腸科を受診しました

娘はもともとストレスがお腹にくる子どもで、旅行に連れていくと胃腸炎をおこしたり、保育所でお腹が痛くなって保健室で休むことも時々ありました。

小2で不登校になってからは「お腹が痛い」とトイレにこもることが多くなり、登校刺激を一切やめて家でのんびりと過ごすようになってからも、腹痛が収まることは全くありませんでした。

あまりにも体調が悪いので、「精神的なものだろうけど安定剤はまだ早いし」と思い漢方薬局で診てもらっていた時期もあります。
意外と効果的でそれなりに楽にはなったのですが、悲しいことに保険が一切効かないのでお金がもちません。



そこで、中2になったときにようやく胃腸科に連れていきました。
もっと早くに連れて行きたかったけれど外出できる状態ではなかったので。


それから漫然と診てもらっていたのですが、あまり良くも悪くもなっていないことをソーシャルワーカーさんに改めて指摘され、ネットできちんと診断することの大切さに触れた記事を読んだ私は、お世話になっている薬剤師さんに相談してみたのです。



そしてアドバイス通り児童精神科の先生に相談すると、快く「すごくいい先生がいるから行ってみてください」と紹介状を書いてもらうことができました。

そのクリニックは児童精神科からも近く、胃カメラ・大腸カメラもやっている本格的なところです。

診察室に入ると、先生は娘に対してまっすぐ対等に話しかけてくれました。
それでもう「あ、この先生当たりだ」と思いましたね。

紹介状を読んで娘の話を聞き、丁寧にお腹の触診をした先生は「きっと機能性胃腸症でしょうが、身体に本当に悪いところがないか検査をします」と言い、血液検査と腹部エコーをすぐにオーダーしました。

エコーはすごく丁寧で各臓器と胃・腸の状態を30分くらいかけてみてもらいました。
胃カメラはやはり大変だろうと思ったのでエコーでよかったです。胃・腸をエコーでみるのには技術が必要らしく、すべての病院で出来るわけではなさそうでした。


結果説明はその日のうちに先生が娘に向かってモニターを見せながらしてくれました。
「血液検査のこの項目はこんな意味で、あなたの数値は正常だから大丈夫ですよ」って感じで。

血液検査は栄養状態も良好で異常なし(栄養状態良好に私はとてもホッとしました)。
エコーでは、胃が大きくなってしまっていること、胃とペタンコのはずの小腸にガスがたまっていて胃腸の働きが悪くなっていることが分かりました。

「検査であなたの身体には何の異常もないことが分かったので、それでもお腹が痛いということは機能性胃腸症と診断できます。」と先生に言われ、今度こそ私もしっかりと納得できました。娘も好感を持ったようです。

ちなみに「先生、過敏性大腸症候群ではないんですか?」と聞くと、「ああ、名前は違うけど同じだと思っていただいて結構です」と言われました。

薬も以前の医院とはガラッと変わりました。
それで効いてくれたらいいのですが、実は受診してから2カ月たった今、娘曰く「あんまり違いは感じない」そうです。

やはり根本は心の問題だから難しいのですね。
今のところベストは尽くしているので、後はあせらずいくのみです。

かわいそうになぁ、のんびりしているように見えてもいろいろ考えて悩んでいるんだろうなぁ。

娘が発達障害の告知を受けた日

発達検査と心理検査の当日。

病院は電車に乗っていかなければならないので、乗り物酔いをする娘は酔い止めと安定剤を服用します。検査の日は緊張がひどくいつもより多めに安定剤を飲んだのでフラフラの状態でたどり着きました。
先生に「このコンディションでは数値はそれぞれ10差し引いて見た方がいいですね」と言われたくらい。



そしてついに告知の日。
親子で診察室に入ると、先生はびっしりと書かれた報告書を見ながら30分くらいかけて説明してくれました。
診断名は出さずに「あなたはこんなところが得意でこんなところは苦手です。だからこういう工夫をしたらいいですよ」という感じ。娘がマイナスの感情を感じないように、心を配って話して下さっていることがよくわかりました。
娘は真剣に聞き入り、ときどき「わかる、わかる」というように頷いていました。

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でも私はあえてこの質問をしました。
「先生、これは診断名をつけるとしたらなんですか?」と。
自閉スペクトラム症(ASD)と答えられたので、「いわゆるアスペルガー症候群ですね?」と聞くと「そうです」と言われました。


自分が発達障害を持っていたということはショックかもしれません。
だけど、支援を受けていくうちに嫌でも思い知っていくことですし、きっと長年疑ってきただろうからこの場ではっきりさせておきたかったのです。
親子二人きりのときより、先生という第三者がいるときの方がいいと思ったこともあります。

そして私は娘に謝りました。
「ずっと前からそうだということは知っていた。でもいつ言えばいいのかわからなかった。ごめん。」って。
娘は「マジか」という顔をしましたが、何も言いませんでした。
先生は「あくまで可能性だったからね」とフォロー。


そして「精神障害者保健福祉手帳をあなたの分も取りたいがいいか?」と尋ねたら「うん」と許可を頂きました。これももう高校生だから本人の許可が必要だと思ったのです。

先生からは「まだ5年は伸びるからぜひ療育を受けてください」と薦められました。「親だけ接し方を変えても無理ですから」って。
保健福祉センターがこうした相談に乗ってくれるそうです。



最後に検査結果の所見とIQ、群指数が書かれたWAISの結果グラフをもらいました。
検査後、心理士の先生に「私は聴覚情報が弱いので文字で詳しく書いてください」というリクエストをしたのですが、そのとおりびっしりとA4用紙1枚埋め尽くして所見が詳しく書かれていて助かりました。
先生に許可を取り結果説明の録音もさせてもらいましたし。

群指数の最大差が36、言語性と動作性のIQは20近く差がある圧倒的な言語優位型。
本人にも結果のコピーを渡してありますが(読ませてほしいと診察室を出るなり言ったので)、思った以上のしんどい結果に正直ショックを受けました。

「まだ5年は伸びる」という先生の言葉を信じて、少しでも本人が生きやすいように療育を受けられるようにしたいです。


帰り道、娘とこんな会話をしました。


私「先生の話、ショックだった?」

娘「いいや。そういう傾向ってみんなちょっとくらい持ってるものやと思うし」

私「ひょっとして自分ってそうかもと思ってなかった?」

娘「別に。あ、でもママのこととか聞いていたら『ひょっとしたら私も発達障害かもしれない』って思ったことはある。別に今のところ何も困ってないし、困ったら自閉症のためってわかるから先生に相談できるしよかったなと思う。いいタイミングだったというか。手帳取るのも映画が安くなるしいいと思う」

私「家にいたから困ってなかったと思うよ」

娘「そうかなぁ。学校へ行っていたら困ったかな?……」


やっぱり娘は発達障害のことをよく勉強しているし、自分の考えをしっかり持っている。
そして私のことをよく見てくれていたんだなと思いました。

これから娘は自分と向き合いながら成長していくことでしょう。
少しでも生きやすくなれるよう、出来る限り手伝っていこうと思います。
通える範囲でいい療育の場があればいいけどなぁ。

小4で発達障害と診断された娘に高1まで告知をしなかった理由

娘は10歳の時にアスペルガー症候群と診断されていたのですが、今までずっと告知していませんでした。

いつ告知すべきかタイミングが分からなかったこともありますし、すでに学校へは完全に行かなくなって1年ほどたっており、とてもじゃないけれど支援を受けられる状況ではなかったからです。
本人も精神的に疲れていて、「今はタイミングじゃないな」と思ったことも理由の一つです。

そうして2年経ったとき今度は私自身がアスペルガー症候群と診断され、そのことは隠すのが下手な私のせいですぐに娘にばれました。「ママ、メンヘラちゃんやったん!?」と心配そうに駆け寄ってきた顔は忘れられません。


それからは本人に告知する代わりに、自分が発達障害の特性のせいでどういう風に困っているか、精神障害者保健福祉手帳を取ってからは映画館で使ってみせたりしてメリットを強調したり、とにかく「母の背中を見て学んでくれ」という気持ちで接していました。

障害年金の申請で苦戦している姿も、私自身が支援を受け障害者職業センターに通ったり、ヘルパーさんに入ってもらったりしているところも全部見てきた娘はいつの間にかすごく成長していました。

私が静かにパニックを起こしていたら、ヘルパーさんも気づいていないのに、スッと側に来てポンポンと腕を叩き「大丈夫だから」と声を掛けてくれたり、過集中していたら「休憩したら?」と声を掛けてくれるようになったのです。



そうしているうちに娘も中学3年になり、将来のことも見据えて児童精神科に加えて大人の精神科もあり発達障害に強い病院に転院することになりました。それが今の病院です。

先生と最初に打ち合わせたのは、まずは本人が病院に来れるようになり先生と信頼関係ができること、それから発達検査を行い告知をするということでした。
手帳も取りたいし、障害年金の申請も考えていると率直に伝えました。


告知の仕方について「先生、告知って親である私からしたほうがいいですか?」と聞いてみたところ、先生の考えは医者からするべきであるということでした。
他院ですでに診断がついていても、自分が告知するからには責任を持って自院で検査をし、資料を揃えて説明する。その資料を支援者に渡して参考にしてもらいたいと言われました。
発達検査の結果は10代のうちは1~1年半ごとに結果が変わっていくくらい変化が激しいので、5年前の結果は参考にならないそうです。

告知のタイミングとしては、いろいろと理解できる中・高校生の時が一番多いと言っておられましたね。


高校生になる少し前くらいから娘はやっと通院できるようになり、最近は月1回の通院に耐えられるようになっていました。

そんなとき、ソーシャルワーカーさんから「娘さんを専門にサポートする人が必要だから、もう告知して手帳を取ったほうがいいですよ」と助言され、先生に伝えたところ検査と告知をすることになったわけです。

次回告知編に続きます。

発達検査を受けてきました

昨日、娘が児童精神科で発達検査を受けてきました。

彼女が初めてWISCを受けたのが小2のとき、2度目が小4だったので6年ぶりですね。
今かかっている先生は、今の時期は毎年受けてほしいくらい数値がどんどん変わっていくと言っていました。だから、今回はどんな傾向が出るかドキドキです。

受けた検査は

WAIS-Ⅲ、PFスタディー、バウムテスト、人物画

です。

心理検査を3つもするとはかなり本格的な検査だなと思いました。



今回の検査は娘にだいぶプレッシャーがかかっていました。
というのは、ドタキャンすると約6000円のキャンセル料がかかることを伝えてあったからです。

直前になればなるほど体調も睡眠の状態も悪くなって、当日早朝にまだ眠れずグズグズ言っているので、思わず「もう!行かれへんかったら行かれへんかったでいいから!いつもそうしてきたやろ!!」と大きな声をあげてしまいました。

それ以上よけいなことを言う前に私は寝ましたが、娘はそれからまだ数時間眠れなかったよう。
だけど、予定の時間に「最低睡眠時間くらいは何とか寝られた」と起きてきました。


そして、自宅から電車で約45分の病院へ二人で行き、娘は心理士さんとテスト、私は待機時間2時間をウインドーショッピングとコーヒーショップで満喫して戻りました。

テストを終えた娘は白目をむいて(疲れたときの癖)一層青白くなっていて。
「絵のテスト、昔は『上手ねぇ』って言ってもらっていたのにヘロヘロとしか書けなかった。電車で安定剤キメたから眠くなってしまってん」とがっくり。

心理士さんから「結果は主治医からあります」と言われ、「私は聴覚情報に弱いので、できたら紙に詳しく所見を頂けると助かります」とリクエストしたら「わかりました」と了承してもらえました。
「私もかなり凸凹なんですよ」と言ってから「あ、娘にとっては失言だったわ」と思ったけど遅かったな。そんなのばっかりだからきっとばれてると思います。

その後の診察でそういった状況を報告したら、「(WAISは)10くらい引いて見たほうがよさそうですね。傾向が分かればいいですから。後の検査は大丈夫。よく頑張って受けに来てくれたね。ありがとう。」と言ってくれました。
娘もホッとしていましたよ。


帰りは好きなものをたくさん買って帰って、家に帰ったらバタンキューで二人とも長い昼寝(夜寝)に入ったのでした。

児童精神科で過呼吸について聞いてきた

今日は娘と二人で児童精神科に行ってきました。

娘も診察に相当慣れてきたらしく、数週間前から喉のつかえを感じたので以前飲んでいた漢方薬を再度服用したこと、呼吸を意識しだしたらそれで頭の中がいっぱいになって疲れ果ててしまったこと、それは母(私)が漢方薬局で相談して漢方を飲んだら治まってきたことを順序立てて説明することができました。

その漢方薬は横隔膜を緩める作用があるもので、先生も「ストレスがあると喉がつかえたり、横隔膜が緊張して呼吸が浅くなる傾向があるのでその薬のチョイスはいいですね」と褒めてくれ、次回からの分を処方してくれました。


そして、過呼吸についていろいろ教えてもらいました。
  • 過去には「息を吸ってばかりで二酸化炭素が足りなくなっているのが原因だから、ビニール袋をあてがって二酸化炭素を含んだ空気を吸えばいい(ペーパーバック法)」と医者も教えられていた。それは間違いで窒息の原因になるので絶対にやってはいけない。

    <発作を起こしている人への対処法>
  • まず楽な姿勢にさせて(できれば横にならせる)背中をさすってあげる。最初は腹式呼吸をする余裕もないのでそれだけでよい。落ち着いてきたら腹式呼吸をするように促す。
  • 自分が発作の予感を感じたら、丹田(へその下)に手を置いて鼻から大きくゆっくり息を吸い(お腹に空気を入れるイメージで)、ゆっくりと吐き出すという腹式呼吸を繰り返す。呼吸は心臓が動くように身体が自動運転してくれる動きだが、意識にとらわれると一時的に過呼吸のようにコントロールを乱されることがある。腹式呼吸をすることにより自動運転に簡単に戻すことができる。
  • 過呼吸の症状が出る原因は、ざっくりと言うと肺胞の中での空気バランスが乱れるから。

これだけ教えてもらえたのはつい私が知りたくて先生に質問してしまったからなんですが。
ついつい知りたくなってしまうんですよね。必要以上に知りすぎるのは不安神経症にとっていいことではないのでおすすめしませんよ。
先生の答えにもそういった配慮を感じました。


帰りの電車で、娘が「今日、先生が教えてくれたことは学校でやっている保健体育の教科書を見ればわかるかもしれないけど、先生から聞けて良かった」といってました。

そう、臨床家の生の声は貴重だからね。

それにしても、娘は思った以上にレポートに取り組むことでいろいろなことを吸収しているんだなと思ったのでした。
Twitter プロフィール
42歳でアスペルガー、46歳で加えて注意欠陥障害と診断される。娘はアスペルガーで小2から中3まで不登校を通した末、今春から通信制サポート校に入学。「小学生で不登校!?」ってブログやってます。
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