小学生で不登校!?~大人と子どもの発達障害~

小学校2年生で不登校になり、3年生で支援学校に一時転籍、そこでひどい体験をして元の学校に籍は戻ったものの、それっきり一度も登校していない娘(現在中3)と、42歳にして娘とともにアスペルガー症候群と診断、46歳でADD(注意欠陥障害)も加わった母の道のり。

勉強

親子で漢検を受けてきました

今日はフリースクールと通信制サポート校で取り組んでいる漢検の日。

フリースクールも試験会場になっているので、親子で受けに行ってきました。
校長先生が「お母さんも受けてみない?」と言ってくれたので、私も4級(中学校在学程度)に挑戦することになったのです。娘は初めての試験は合格してほしかったのもあって10級(小学1年生修了程度)から始めることに。

試験時間は1時間。娘は40分程度で終わったようで「お母さんはまた頑張ってるから待っててな」と先生の声が聞こえてきます。別室で受けていた私はマークシートの細かさに老眼鏡を持ってこなかったことを後悔しつつ苦戦していました。
漢字って読むのは簡単だし、候補の中から選ぶのも簡単だけど、書くのが難しいんですよね。
「くそー、何となく輪郭は分かるのに書けないっ!」と悔しがりながら終了時間まで粘りましたよ。

娘よ、最後まであきらめずにあがいた母の姿を見てくれただろうか。


部屋から出たら珍しくハイテンションな娘が、「ママ、出来た?私は右下だけ分からない漢字があったりしたよ。そのまま出したけど。あと、とめはね間違えてしまった。習字だったらできたのに。」と話してきました。

うーん、とめはねについては文化庁が「字の骨格が合っていれば問題ない」という見解を出しているんだけどな。漢検でも丁寧に書いてあればそれほど重視しないらしいと、ネットで調べたら出ていましたがどうなんでしょうね。

娘は1年生になると同時に習字を習い、2年の2学期の終わりに学校に行けなくなるまで続けていたのでとめはねにこだわるのです。今後、字を書くときにそのこだわりが邪魔にならなければいいのですが。

私は逆に「書き順もとめはねも意味なんかない。読めれば問題ない。」と頑なに覚えようとしなかったので、毛筆で宛名書きができないなどちょっと困ったこともありました。普段は全然問題ないんですけど。


二人で同じ試験に取り組むっていい経験でした。
娘は勉強する姿を見られるのをとても嫌がるので、一緒に勉強することはありませんでしたが、私の問題集を見て「ママ、こんな難しいの大丈夫?」と心配されたり。
あと、興味のないことを勉強するのってこんなに苦痛なのかと実感したり。

学校に通っているからこそ、周りに流されたり、先生や親に追い立てられたりして面白くもない勉強もなんとかできて、そのうち「これは面白いかも」と思う教科ができて、そこから「わかるって楽しい」気持ちも芽生えてくると思うんですよ。
でも、学校というある意味特殊な環境に適応できず、それでも頑張って頑張って疲れ果てて通えなくなってしまった子どもは、学校と密接につながった勉強するという行為も嫌がるようになることが多いです。うちも中2まで一切勉強しなかったですから。

そこからまた学ぼうという意欲がわくまで時間もかかるし、進んだり戻ったり立ち止まったりするだろうけど、少しずつ歩き出した娘をそっと見守ろうと思います。

人に教えられるのが嫌な理由

今日の話は迷走気味ですが、娘が勉強を嫌う理由について重要なヒントを本人からもらったので、色々と思い返しながら書いてみました。



うちの娘は小2から学校に行ってないのですが、中2になるまで勉強するそぶりはありませんでした。

中2になって学習を支援してくれるボランティアの人に出会って、基礎学力を計るテストを受けたとき、掛け算など習得していないところでも自分なりに頑張って解こうとしたり、漢字も一部だけ書いていたりと、すごい粘りと集中力があると評価されました。3時間テストに取り組んだのですから。

そこでの支援ではWISCを受けてどこに苦手があるかなどを調べてもらったり、交換日記を通じて字を書く習慣を身につけたりということをしてもらっていたのですが、直接勉強を教えてもらうという機会はありませんでした。



その学習支援も1年間で終わってしまい、どうしようか悩んでいたときに出会ったのが今通っているフリースクールです。学習時間も20分程度と短く短期集中型。雰囲気もアットホームで家から自転車で通えるしいうことなしなのですが、休んでばかりでなかなか行くことができません。


中学に入ったころから、約束していたところに行けないときははっきりと理由を言うようになった娘。
「今日はお腹のコンディションが悪い」という理由が一番多いです。彼女曰く、「イヤじゃなくても緊張してしまってお腹が痛くなる。『お腹が痛い=行きたくない』と思わないでほしい」ということなのですが、やはり外出することはかなり緊張を伴う行為みたいです。かといって家に来られるのも負担みたいですけどね。
娘にとって家というのは、ゆっくり休める、安心して好きなことができる安全基地なので踏み込まれるのはイヤなのです。


中3になってからは「勉強したくなってきた。フリースクールも短時間だからイヤじゃないし」とか「そろそろ1人で外出できるように練習したい」と前向きな言葉が多くなってきてますが、なかなか実行には至らずといったところです。やはり高校進学という節目を意識しているのかなと、母としては考えていますが。



勉強については家庭教師とか、ネット塾とかいろいろ提案したのですがどれもダメ。「勉強するときは教科書を見てひとりで勉強したい。教えられることは紙に書いてないとイヤ。」というのです。独学はいいことだとは思いますが、これだけ遅れていたら大変じゃなかろうかと思っていたら、ある日ポツリとこんなことを言ったのです。

「目の前で教えられたら、話に何か前提があるのかわからなかったり、自分で考える時間がないから困る。それに学校に行ってなかったから教えられるのに慣れてないし、上手じゃないから。」

それを聞いて、激しく「わかる、わかるわ~」と思いました。
自分の学生時代を思い出すと、「いやいきなり『もちろん○○についてはわかってるな?』みたいな体で話し始められても、それが分からないままここに座ってるんよ」とか、「分数の計算はこうしてやるのです。分かりましたか?」といわれても、「ちょっと待って、どうしてひっくり返して掛けたら答えになるの?納得できへんで。う~ん、どういうことやろう???」と考えに沈んでいる間に授業ははるか先に進んでいたり。
そして授業について行けなくなっているのに、変に生真面目なものだから質問もできずに分からない授業を必死に聞いて疲れ果てると。



一斉授業には激しく向いていないタイプなんですよね。
不登校になったのも無理ないなぁ。つらかったんだろうな。
自分に合った勉強法を見つけたら、猛烈な集中力を武器にして伸びると思うのですが。



ちなみに私は、頭のいい友達にマンツーマンで徹底的に分からないところを教えてもらい、あとはひたすら自習というのが一番合っていました。



フリースクールと通信制サポート校はマンツーマン&自習スタイルなので、娘にはハマると思うんですけどね。通うということに慣れるのが先ですかね。

小学2年の漢字から始めます

月4回のフリースクール。
娘は初月、3回行くことができました。
今日は、「眠い、行くのめんどくさい」と言いながらでしたけど。
「いややな~、と思いながらも行けるってすごいことやで」と言いました。
本当に無理なときは好きなことでも「行かない」という子ですから、自分の判断で好きではない勉強を選んだのは進歩だなと思います。
「お金もったいないから」とも言ってましたけどね(笑)。分かってくれたか。


今日は、教頭先生と紅茶を頂きながらまず地球儀を見ながら「日本はどこ?ハワイってどこか知ってる?じゃあ、よくこのごろミサイルを撃ってくる国は?よく知ってるね。ここは暑い、寒い?そう、ロシアは寒いね」というような話をしていました。
地理と時事問題、観光など自然に絡めた面白い教え方だなと感じました。


そして本日のお勉強は漢字。娘が「読めるけど、書くのは小1のでも書けるかな?字書いてないから」と言うと、小2の漢字から始めることになりました。
書き取りをしながら音と訓の話。私もけっこう忘れていたので、「そのままでは意味が通らないのが音(頭痛ずつう)、そのままでもわかるのが訓(頭あたま)」という話に聞き入ってしまいました。

このフリースクールと高校は年に一度みんなで漢検を受けるそうで、りさも挑戦することになりそうです。自信になってよさそうですね。この学校が試験会場というのも魅力です。


ともかくけっこうちゃんと行ってくれたのはうれしかったです。
私の趣味の本の整理もだいぶ進みましたし。


そういえば、先生が席を外したときにぶんぶん手を振り回していたので「何だったの?」ときくと、「字をたくさん書いたから手が疲れた」ですって。おもしろいなぁ。

お勉強は1回20分

娘が通信制サポート校併設のフリースクールに行くようになって2回目が過ぎました。

月4回コースなので、その範囲内ならいつ行こうが休もうが連絡不用というのが、不登校児の親としてとてもうれしいところです。「すみません、休みます」の電話は学校へイヤって言うほどしましたし。

フリースクールには校長先生、教頭先生(夫婦)がいて、曜日によって違う先生が一人増えるくらい。
通信制高校の生徒もだいたいくる顔ぶれが決まっているので、とてもアットホームな雰囲気です。
みんなでおやつを食べる時間があるくらいですからね。


娘は、「あの緊張感がないところがいい」といっています。確かにピリピリした雰囲気とは無縁ですし、ざわざわしたところもないので私もとても居心地がいいです。

登校したら、私はフリースペースで趣味の本棚の整理に励みます。
本人が「もういい」というまで付き添い登校させてもらうことにしているのです。


娘は提携のピアノスクールの先生について、15分ほどピアノを弾きます。
みんな好きな曲を先生に聞いてもらって、それを先生が耳コピして教えてくれます。
先生のモットーは「音楽は楽しむもの。譜面も見ないで自分の好きな曲をまずは弾いて楽しむ」。
だから、みんなピアノの時間が大好きだそうです。

それから、教頭先生と勉強をします。
1回目は一桁+一桁の計算を25問、次は4年生くらいの漢字の読みのプリントを1枚。
どちらも20分くらいで済んでしまいます。

「え、こんなちょっとでいいの?」と思ったのですが、校長先生が言うには「1日6時間も勉強するより、こうやって少しずつ集中して勉強したほうが効率がいいんですよ」って。

今日行ってきたかかりつけの思春期外来の先生(本人は会ったことがないけど)も、「カリキュラムを組んで、これをこなさないと次にいけないとなると絶望的な気持ちになります。今のやり方がいいと思いますよ」と言ってました。


本人も勉強で疲れてしまうことなく、「次はいつ行こう~」って感じなので合っているんだなと感じています。

初めてのフリースクール

昨日、娘と初めてフリースクールの授業に行ってきました。

慣れないところでの不安が強いことと、一人での外出経験がほとんどないため、先生に頼んで当分の間一緒に登校して終わるまで待たせてもらうことに。

初日ということで、色々事務手続きを済ませたあと、入学許可証の授与がありました。
スタッフの人たちが見守る中、学長先生から入学許可証を受け取る娘。
よく考えたら、小学校の卒業式に出ていないのでこういうシーンを見るのは保育所の卒所式以来かも。
「ここはジーンとくるところかもしれない」と思いつつ、何せ感情の動きが遅いものですからボーッと眺めていました。昔から「ここは泣くところやろ!」というところでも感情がうまく動かない性質なもので。


ここのフリースクールはピアノ教室と提携していて金曜日はピアノレッスンを受けることができます。(無料)娘はさっそくスマホで好きなゲーム音楽を先生に聞いてもらって、その曲を教えてもらうことに。先生、耳コピの速さと正確さはさすがです。

ここのピアノのモットーは「とりあえず音を楽しむ」こと。楽譜もなしで、ホワイトボードに鍵盤の絵を描いて教えていました。あとで「どう?ピアノ楽しい?」と聞くと、「うん、わりと。とりあえずこの曲仕上げるまではやってみる」だそうです。


それから、勉強のコーナーに移って一ケタと一ケタの足し算の25マス計算。完璧でした。
これから、少しずつレベルを探りながら進んでいくと先生に説明を受けました。
ピアノ20分に、勉強20分くらいでしょうか。

そして最後に私はコーヒーを頂きながら今日したことの説明を受けるという感じ。
決して無理させず、時間も長くならないように気を配ってくれていました。


待ってる間、フリースペースにたっぷり本があったので思わず整理していました。
いや~、本を整然と並べ替えるってむちゃくちゃ気持ちいいですね。


帰って、娘に「どう、やっていけそう?」と聞くと、「うん。でもちょっと疲れた」と早めに眠ってしまいました。

私にとってはちょっとの時間でも、長年学校に行っていなかった娘にはとても疲れたんでしょうね。
娘のペースで通い続けられたらいいなと思います。
Twitter プロフィール
42歳でアスペルガー、46歳で加えて注意欠陥障害と診断される。娘はアスペルガーで小2から中3まで不登校を通した末、今春から通信制サポート校に入学。「小学生で不登校!?」ってブログやってます。
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