小学生で不登校!?~大人と子どもの発達障害~

小学校2年生で不登校になり、3年生で支援学校に一時転籍、そこでひどい体験をして元の学校に籍は戻ったものの、それっきり一度も登校していない娘(現在中3)と、42歳にして娘とともにアスペルガー症候群と診断、46歳でADD(注意欠陥障害)も加わった母の道のり。

2019年01月

娘、おひとり様を堪能する

1月後半は娘が通う通信制サポート校の後期試験でした。

だけど年末から娘の調子は悪くて、1月の児童精神科の診察にも行けませんでした。

娘が先生にと託したメモに、年末年始のことがプレッシャーなのと、障害告知のことについて考えてしまうこと、後期試験に行けるかどうか心配で体調が悪いと書いてありました。

すんなり受け入れたように見えても、やっぱり自分が障害を持っているのだという告知は本人にとってつらいものだったのだなぁと思いました。
きっと受け入れるには何年もかかるだろうし、人生の折々で「どうして私が」と思うこともあるでしょう。
でも、それは本人が乗り越えていくしかないこと。私は彼女の支援体制を整えることに力を注ぎ、ある程度成長したら娘自身が支援をうまく利用できるように導くことしかできないと思っています。

だいたい私自身がまだまだ自分の障害を受け入れ切れていませんし。

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さて、話がそれてしまいましたが、結果から報告しますと無事に試験を受けることができました。

一日はすんなりと「行ってくる」と一人で出かけていき、もう一日は「雨だから嫌やなぁ」というので「あなたが思った通りにしたらいいよ」と言うと、「謎のやる気がわいてきた」と一人ですんなりと行くことができました(「行けよ」という無言のプレッシャーが伝わったのでしょうか)。

しかもうれしかったのが、帰りに一人でショッピングセンターに寄って、ドーナツを買ったり、バレンタイン特設コーナーで自分用のチョコを選んで買って帰ってきたことです。

「あそこの店がつぶれていた」「このチョコおいしそうだから買ってきた」と話しながら、嬉しそうに一人でもぐもぐしている姿は本当に楽しそうで、私は「こんな日がくるなんて」とちょっと感動してしまいました。


小3くらいからほとんど引きこもってしまい、たまに外出してもすぐに疲れて真っ青になっていた姿。
買い物にまれに一緒に行っても計算ができないうえに、お金を扱ったことがないので不安でどうしてもレジに並べなかった姿。

そして、小さなころは人が大好きだったのに、いつの間にか人と接することが苦手になって「友達なんか求めていない」と言い放った現在の彼女。

だけど、こんなに立派に「おひとり様」を堪能しているじゃありませんか。


私は一人で楽しめるということは素晴らしいことだと思っています。
自分の世界をしっかり持っていて、人目を変に気にせずマイペースで楽しめたら、生きていくことがぐっと楽しくなると思います。


ずっとパソコン相手にネットゲームやYouTubeなどの動画サイト鑑賞、2ちゃんねるやツイッターなどに夢中で、それ以外はゲーム機でゲームをしているかスマホいじり。
正直、「この子はこれで本当に大丈夫なのだろうか」と思ったこともありましたが、グッとこらえて見守り続けてよかったなと思っています。

だって、そんな生活の中から学ぶこともいっぱいありましたし、少しずつ元気を取り戻していったのですから。

まだほとんどはそんな生活ですが、ゆっくりと歩いていってくれることを信じて見守ろうと思います。

思春期から高校・大学生活に向けての支援、大学での発達障害学生の支援について

「自立に向けての支援、思春期から高校・大学生活にむけて」
「大学における発達障害学生への合理的配慮の現状」

 と贅沢にも二本立ての講演プラス座談会に参加してきました。

青年期から成人期にも踏み込んだ支援の話を聞くのは初めてで、私は今成人期にあたるので思い当たる節もいっぱい。

親の介護はいろいろな福祉サービスをコーディネートしなければならないけど、発達障害の人にはそれが難しく離職にもつながっているのではないか?というのにはドキッとさせられました。
しかも、そのあたりの問題はまだ研究もされていないようです。

私も親の問題で調子が大崩れすることがよくあるので、気をつけなくてはと思いました。


青年期には親は司令塔から黒子に回り、親離れ・子離れをするという話も納得。
子どもが主体となって支援を受けることも多くなってくるでしょうから、娘自身が自分の特性や困りごとを見極め、何を助けてほしいのか分かったうえで、適切な人にSOSを出せるようになるように、そっと手伝っていくことが大事になるのでしょうね。



大学での発達障害学生への支援の話は実際にあったケースも交えて、とても実践的で分かりやすい解説をしていただきました。

まず入学してすぐの履修登録やシラバスを理解することが困難で、自己判断で行ったせいで必要な単位が取れず留年してしまう学生がいること。

この話は、早い段階で学生相談につながる必要性を教えてくれました。

具体的にどんな困りごとが多いのか、このごろ大学で多いグループディスカッションで話し合ってみるという体験もあり面白かったです。
私が大学生だったころはグループディスカッションやプレゼンなどはほぼなかったんですけど、時代は変わっているのですね。就職に必要ということもあるみたいですけど。



先生を囲んでの座談会では、私は「娘が高校生になってから療育が必要になり探しているが見つからない」という悩みを話させてもらいました。
「療育にこだわらず、娘さんの家庭以外の居場所を増やしていき、その点と点が線を結べるようになったらいいですね」とアドバイスいただきホッ。主催者の方からも習い事を利用したりするという知恵を頂きました。


こうした講演会では新しい知見を得られるだけではなく、他の保護者の方と情報交換できたりもするのでとても有意義な一日となりました。

発達ナビコラム掲載「不登校の娘は我が家のエアコン奉行!感覚過敏を逆手にベストな部屋作り」

発達ナビにコラムが掲載されました。

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発達ナビ:不登校の娘は、わが家のエアコン奉行!感覚過敏を逆手に「ベストな部屋」づくり

この記事は担当さんと打ち合わせをしているときに出た「うちはエアコンを切ることがほとんどないんですよ」という会話から膨らんだ記事です。
私にしたら「いや~、困ったもんです」というノリだったんですが、面白がってくれる人もいるんだなぁと逆に新鮮な気持ちになりました。


娘の感覚過敏に気付いたのは小3の2学期、特別支援学校の先生によってとどめを刺され全く学校に行けなくなってからのことです。

この日がターニングポイントでした。この出来事をきっかけに喘息発作を初めておこし数ヶ月入院することになります。


入院中の娘に服を買って持っていっても「これイヤ」ということが激増、でもおしゃれに目覚めた様子はなく、冬になっても長袖長ズボンを一切身につけなくなってから「これは何かおかしい」とやっと私は気づきました。

「どうして??」と腹も立ちましたが、他にもなんというか危なっかしい不安定さを感じたため、あれこれ注意せずに好きにさせていました。
おそらく急激なストレスによって、もともと特性として持っていた感覚過敏が一気に爆発したのではないかなと思います。素人考えですが。
でも無理強いをせずにいてよかったとホッとしています。
こういう場面でグッと我慢して見守ったおかげで、今の安定した娘の姿があると思うので。


自分の家が快適であるということはエアコンの話に限らず、こういった子どもたちにとってはとても大切なことです。
基本的な衣食住が保障されていること、それを安心して享受していいこと(何の条件もなしに認められること)は誰にとっても生きていくなかで基本となることですから。

一番の居場所は家なんですよね。
そこでエアコン奉行をできるのは「私はここにいていいんだ」ということ。
それが伝わるといいなと思います。

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高校生から療育を受けるのは可能なのか?

しばらく間が空いてしまいました。

お正月は親子で仲良く体調を崩して自宅でまったりと過ごし、ついに一日も実家に帰らないという偉業を達成しました。娘は「会いたくない人に会うくらいならお年玉はいらない」と今年はきっぱりと言っていたので、まぁいいお正月だったのではないでしょうか。


さて、世間も動き出したのでさっそく娘の療育施設探しを始めています。

最初は主治医のアドバイス通り保健福祉センターに電話したのですが、「就学前の児童の療育の相談なら受けていますが、大人の精神についてはうつや統合失調症などしか受け付けていません。発達障害のことは分かりません。」と言われてしまいました。

「市役所の障害福祉課に行ってください」とのことだったのですが、そこでもおすすめの施設というのは教えてもらえないらしく、とりあえず先に調べてあった施設に電話してみることに。


まず1軒目。個別対応をしていて評判もいいと聞いていたので期待していたのですが、希望者が多く待機になるということで、「発達障害者支援センターに相談されることをおすすめします」と言われてしまいました(待機の列には入れてもらいました)。

その電話で聞いたのですが、高校生まで療育を受けていったん大学に行ってまた違う形で支援を受けに戻ってくるケースもよくあるのだそう。
大人向けには生活介護や自立訓練、就労移行支援などといったメニューがあるみたいだけど、この辺りはまたよく調べてみる必要があると思いました。


次に2軒目。基本的には中学生までで、高等部を創設するか検討中とのこと。そこも生活介護や自立訓練といった大人向けの支援もやっているそうです。うちの事情を話すと「不登校も長いし、集団とのブランクの長さを考えると対応の仕方を考えなくてはいけませんね。月1回くらいから始めてまずここが自分の居場所だと思ってもらわないと。」と言われ、「あ、なんだか理解がありそうな気がする」と思いました。

まず娘を受け入れられるかどうかを施設内で話し合うそうです。
娘自身がそこを受け入れられるかという問題もありますし。


それにしても、小2から不登校で高1の現在も安定して通学はできていないという状況で果たして療育に通うことはできるのか?
受け入れ先はあるのか?

だいたいこんな例ってあるのか???

さすがに不安でいっぱいですが、今までやってきたように精一杯手を伸ばしてより良い支援をつかみ取っていきたいと思います。

「助けて!」と声をあげるのって本当に大事だと身に染みていますので。


Twitter プロフィール
42歳でアスペルガー、46歳で加えて注意欠陥障害と診断される。娘はアスペルガーで小2から中3まで不登校を通した末、今春から通信制サポート校に入学。「小学生で不登校!?」ってブログやってます。
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