小学生で不登校!?~大人と子どもの発達障害~

小学校2年生で不登校になり、3年生で支援学校に一時転籍、そこでひどい体験をして元の学校に籍は戻ったものの、それっきり一度も登校していない娘(現在中3)と、42歳にして娘とともにアスペルガー症候群と診断、46歳でADD(注意欠陥障害)も加わった母の道のり。

2017年06月

ついに糖尿病になってしまいました

毎年「これ以上食べ過ぎたら糖尿病になりますよ」と検診のたびに言われ続けてきたのが、今回ついに「糖尿病です。専門医のところに行ってください」と言われてしまいました。

そして大きな病院の糖尿病センターを受診したら、詳しい検査の結果、「すぐに教育入院してください」と言い渡されたのです。


私はアスペルガー症候群とADHDを併発しています。
発達障害を持つ人は成人病になりやすいと聞いていたので、改めてネットで調べてみました。

小児期から念頭にいれて対処する必要があるのは、肥満、高血圧、高脂血症(血液中のコレステロールや中性脂肪が高値となり、動脈硬化の一因となったり、肝機能障害を引き起こしたりする)、高尿酸血症(血液中の尿酸値が高値となり、痛風や腎機能障害を引き起こしたりする)、糖尿病などの生活習慣病といわれるものである。
高度の肥満では心肺への負担も大となる。
発達障害の医学的理解と支援の実際

あと、血糖コントロールが極めて困難な 2 型糖尿病患者が注意欠如多動性障害と判明した 1 例という症例報告も読みました。
そこに出てきた人は、毎日適量の食事をとるのが難しく日によってムラがあり、また教育入院しても糖尿病教室にテキストを持ってくるのを忘れる、翌日のスケジュールを覚えられない、血糖の話をしていても急に話題を変えるというエピソードがありました。

ADHD 当事者のニーズは個人差があるが,誰もが血糖コントロールを良くして合併症の発症・進展を予防していきたいと思っている.
そのため身につけるべき技術は,ADHD の有無にかかわらず変わらない.ADHD を有する当事者は失敗経験ばかりを積み重ね,自分はできないと思い込んでいることが多い.
こういう糖尿病患者に対してその心理的問題を把握し,ケアしていくことが重要である.目標が達成できないことも多いが,決してそれを非難せず,出来たことを称賛するようにする.社会的に問題があり日常生活が困難な場合には,専門科へ紹介し治療を行ったりソーシャルサポートを行ったりすることが必要である.
この一文は心にしみました。

それからADHDで言われるのが実行機能がうまく働かないということです。
このせいでうまく自分の行動をコントロールできないようです。
アメリカの精神科医トーマス・E・ブラウンは、ADHDにかかわる「実行機能」を6つの要素に分けて、そのなかの一部あるいは全部の機能障害のために、ADHD特有の症状が現れると説きました。
ブラウンの指摘した6つの機能とは、次のとおりです。
1.取りかかり・・・課題を整理し、優先順位をつけて、取りかかる機能。
2.焦点化・・・課題に対する注意の焦点化、注意の維持、注意の移動を適切に行う機能。
3.努力・・・課題を遂行するために意識を覚醒させ、努力を続け、適切な処理速度を維持・調整する機能。
4.感情・・・自らの欲求不満を管理し、感情を調整する機能。
5.記憶・・・ワーキングメモリー(作業記憶)を活用し、想起する機能。
6.行動・・・自分の行動を客観的に監視(モニタリング)し、必要に応じて自己制御する機能。

ADHDがあると、ここにあげたような「実行機能」をうまく働かせることができません。
課題になかなか取りかかれなかったり、意識を集中させたり、続けることに嫌気がさしたとき、その感情を抑えられなかったりします。その結果、不注意、多動性、衝動性といった行動特性が現れてしまうのです。

そうした特性の原因は、わがままでだらしない性格だからでもなく、親によるしつけがきちんとなされなかったからでもありません。脳における「実行機能」の働きが、ほかの人とは異なっているからにすぎないのです。
ADHD-GUIDE

やはり発達障害とは切り離せない関係があるようですね。

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私は昔から欲望に忠実で、「食べたい」と思ったら食べたいだけ食べていました。
赤ちゃんの頃なんてパクパク食べて、いらなくなったらスプーンを放り投げていたそうで。

「これはまずい」というレベルで太りだしたのは大学4年のとき、パチンコ屋のバイトのまかないが食べ放題だったとき。1年で10キロ太りました。またカロリーの高いおかずだらけでおいしかったんですよね~。「こんなに食べたら太っちゃう」なんて1ミリも考えませんでした。


社会人になって2年目で発達障害の二次障害に倒れ、実家に帰ってからは母のバランスの取れた料理と、スポーツジムのダイエットプログラムに参加したおかげでスッキリした体型に。

その隙に結婚して家を出てから、またどんどん太っていきました。

前にもブログに書きましたが、私は料理がとても嫌いで苦手です。だから、手早くできるフライパン料理ばかり。野菜も取り入れたバランスの良い献立がたてられない、そして何をどれくらい食べたらいいのか感覚としてわからないのが困りました。


とどめは子どもの不登校と昼夜逆転。
ますます好きなものしか口にしなくなり、食感へのこだわりがひどくなった娘に手を焼き、夜中はレトルトしか食べないのでそれに付き合い、腹が立ったら甘いものをドカ食い。ストレスもあって体重は一気に5キロほど増えました。


そんなわけで、見事に糖尿病になってしまったのですが、病院とソーシャルワーカーと相談支援員、ヘルパーさんがチームとなって支えてくれることになっています。

私はひとりじゃない。そう思うととても心強く感じます。

娘のためにも1年でも長生きしたいので、まだ合併症が出ていない今のうちに何とかコントロールできるようにしていきたいと思います。

発達ナビコラム「不登校になったら終わりですか?」

発達ナビにコラムが掲載されました。

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発達ナビ:「不登校になったら終わり」ですか?かつては我が子を追い詰めた私の答え


前から「不登校になってしまった。せめて1時間でも登校させなきゃ」「生活リズムだけでもまともにさせなきゃ」「勉強だけはして欲しい」という声に違和感を感じていました。

「それって結局『譲歩するけどそのうち学校に行ってほしい』と言っているのと同じじゃないの?」って。

うちの娘は見たところ、発達障害の特性と(不正が許せない、うるさいところが嫌い、読み書きが苦手など)、ストレスが身体に全部出てしまうことから学校に行けなくなったのかなぁと思っています。
本人は、「体調が悪くて休んでいるいるのに、たまに学校に行ったら『なんで学校に来ないの?』っていじられてイヤになった」といってます。それもまた一つの原因でしょう。

でも本当の原因なんて本人にも周りにもわからないし、本人が大人になってから振り返って「ああ、こういうことだったのかなぁ」と自分なりに消化していくものなんだと思います。


不登校から引きこもりになる子もたくさんいます。皆さんが恐れる通りです。
だけど、一度エネルギーの入ったコップが空になってしまった子どもが、再び立ち上がるのってそんなに簡単なことじゃないと思うのです。余計な働きかけをしたらますますエネルギーは失われますし、心の中の葛藤が思いもよらない形で出てしまうかもしれません。

今まで親の会などで見たきた限り、引きこもりや不登校で本人が何の問題意識も持ってないということはまずありません。どうやって社会とつながれるのか悩み考え抜いています。


「何もするな」と言っているわけではありません。
親の会につながったり、病院に相談に行ったり、相談機関に行ったりするのは親のためにも必要だと思います。親自身が治療が必要な状態になることもよくありますし。(うちも)
情報を集めて、本人が前向きな気持ちになっているときに支援につなげるのも大切です。

でもね、いまの世の中は大人でさえも引きこもってしまうようなしんどい世の中なんです。
学校もしんどい、社会もしんどい、適応している人でも「なんだかしんどいなぁ」と思っているような社会の空気を彼らは人一倍敏感に感じ取っています。

年齢に合わせて親の事情ははっきり話しながらも、その人のペースで立ち上がるのを待ってあげて欲しいなぁと思う気持ちを記事にしました。

お勉強は1回20分

娘が通信制サポート校併設のフリースクールに行くようになって2回目が過ぎました。

月4回コースなので、その範囲内ならいつ行こうが休もうが連絡不用というのが、不登校児の親としてとてもうれしいところです。「すみません、休みます」の電話は学校へイヤって言うほどしましたし。

フリースクールには校長先生、教頭先生(夫婦)がいて、曜日によって違う先生が一人増えるくらい。
通信制高校の生徒もだいたいくる顔ぶれが決まっているので、とてもアットホームな雰囲気です。
みんなでおやつを食べる時間があるくらいですからね。


娘は、「あの緊張感がないところがいい」といっています。確かにピリピリした雰囲気とは無縁ですし、ざわざわしたところもないので私もとても居心地がいいです。

登校したら、私はフリースペースで趣味の本棚の整理に励みます。
本人が「もういい」というまで付き添い登校させてもらうことにしているのです。


娘は提携のピアノスクールの先生について、15分ほどピアノを弾きます。
みんな好きな曲を先生に聞いてもらって、それを先生が耳コピして教えてくれます。
先生のモットーは「音楽は楽しむもの。譜面も見ないで自分の好きな曲をまずは弾いて楽しむ」。
だから、みんなピアノの時間が大好きだそうです。

それから、教頭先生と勉強をします。
1回目は一桁+一桁の計算を25問、次は4年生くらいの漢字の読みのプリントを1枚。
どちらも20分くらいで済んでしまいます。

「え、こんなちょっとでいいの?」と思ったのですが、校長先生が言うには「1日6時間も勉強するより、こうやって少しずつ集中して勉強したほうが効率がいいんですよ」って。

今日行ってきたかかりつけの思春期外来の先生(本人は会ったことがないけど)も、「カリキュラムを組んで、これをこなさないと次にいけないとなると絶望的な気持ちになります。今のやり方がいいと思いますよ」と言ってました。


本人も勉強で疲れてしまうことなく、「次はいつ行こう~」って感じなので合っているんだなと感じています。

りさ15歳!

早いもので、りさももう15歳になりました。
学年は中学3年生ですが、中学校には一度も行ったことがありません。

週1回のフリースクールに通い始めて、2週目は「気がのらない」と休みましたが、「しんどい」という理由が言えないというか自分でもわからないような理由ではなく、はっきりと気持ちが言えたことがすごいなと思いました。

「高校の予定表ちょうだい」と、気分はフリースクール、高校に飛んでいるようで、中学校は卒業式も出ずひっそり卒業したいようです。別に中学が嫌いなわけではないそうなんですが、入学時に宣言したように通学する気は全くありません。これくらいはっきりしていると、いっそすがすがしいですね。

修学旅行も終わり、全く行事にも参加したことがないので、私も中学生の母親をしてることを忘れそうになります。でも、学校の先生方が娘のことを尊重して、個別の支援計画を立てたり、家庭訪問して一緒に料理を作ったりしてくれているので、とても感謝しています。


今日は、近所で評判になっている寿司屋さんの寿司を持ち帰りして(店では緊張して食べられないので)、ケーキをおばあちゃんに買ってもらい、おばあちゃんと私と3人でお祝いしました。
誕生日プレゼントはニンテンドースイッチに決まっていて、「転売などが落ち着いたら買ってもらう」と言っています。

彼女の年間予算計画にはすでにスイッチのソフトが入っているようです。
こんな計画も立てられるくらいお金の概念も身についてきました。
昨日は近所のスーパーに一人で買い物にも行けましたし。

小3の途中からは一日も学校に行ったことがありませんが、それでもちゃんと育ってるんだなぁとうれしく思っています。
行きつ戻りつしながらも、自分のオリジナルの幸せを見つけてくれますように。

発達ナビコラム「冷蔵庫はまるで「腐海」..我が家に救世主が君臨」

発達ナビにコラムが掲載されました。


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発達ナビ:冷蔵庫はまるで「腐海」...親子で発達障害の我が家に「救世主」が君臨!


このコラムはアスペルガー症候群とADHDを持つ私が、いかに家事が苦手か、そして荒れ果てた家で疲れ切っていたところをヘルパーさんに来てもらっていかに助かったかという話です。

初めてヘルパーさんが来たときは、もうお亡くなりになった野菜や肉、同じものがいくつもある賞味期限切れの調味料などを発見してはガンガン捨てていました。
「これ、3年過ぎてるから捨てますね~」と調味料の入れ物が減っていくたびに悲しくなってしまいましたね。「私はバカなんじゃなかろうか」と思って。

買い物にも同行してもらったのですが、私の視点って「あ、あれおいしそう」、「お、これは安い」とポンポン飛んでいて、「これを買ってこれを作ろう」とか「これはまだ家にあったはず」とか全然考えないんです。そして、欲しいと思ったものをかごにポンポンと入れていくという。

ヘルパーさんに、「待って。これは家になかった?」「こんなにたくさん買って食べきれる?」と言われてハッと我に返りました。「普通の人はそういう視点で買い物をしてるのか!」って。


一人で買い物をするときも気をつけるようになりましたが、まだ時々野菜を腐らせたり、賞味期限7年後の七味を発見したりしています。
ある程度以上は一生治りそうにありません。

料理をしてもらえるのは本当に助かります。「どうやったらこんなに早く作れるんだろう?」というくらい手早いですし。
料理が好きな人って、料理の調理工程がぜんぶ頭に入っているそうですね。
何度作ってもすぐに忘れてしまう私は尊敬してしまいます。

冷蔵庫の中身もチェックしてくれて、「次回までは何も買わなくていいよ」といってくれるので、無駄な食費がだいぶ減りました。冷蔵庫におかずが入っている生活は素晴らしいです。


けっこう長い間、私はこんなにサービスを受けていいんだろうかと悩みましたが、「苦手なことは人に任せていい。それで空いた時間で好きなことをすればいいんです。」というソーシャルワーカーの言葉でずいぶん気が楽になりました。特性ゆえにどうしても苦手なことを無理しなくていいんだって。

発達障害で困っている人に、こうしたサービスの利用が広がっていくことを願っています。


Twitter プロフィール
42歳でアスペルガー、46歳で加えて注意欠陥障害と診断される。娘はアスペルガーで小2から中3まで不登校を通した末、今春から通信制サポート校に入学。「小学生で不登校!?」ってブログやってます。
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